デザイナーなったきっかけ。
最近、よく目にするインターネット上で「デザイナー養成講座」などや「デザイナー入門」だれでもデザイナーになれる。
なんて、通信教育期間を目にしますが。
私がデザイナーを目指していた頃は当然そんな通信教育というものは存在していなく、美術大学かデザイン専門学校の2種類が存在しているだけだったような気がします。

デザイナーになるのに簡単な時代だったかも。。。。
高校を卒業して、美術大学に入るか専門学校に行くかで道は分かれると思いますが、私たち「やまたに家」は夫婦でデザイナーです。
お互い美術専門学校へ通い2年で卒業してそれぞれデザインの道に行くわけですが。。。。
夫婦でもデザイン学校で違う感覚が身につきます、それはお互い行った学校同士ライバルのような存在で、当時は卒業しても札幌のデザイン学校はどこの専門学校で分かれていたと思います。
まあ、通常はそんな感じで2年勉強してデザイナーになるはずなんですが、イレギュラーでデザイン会社に直接就職して、就職してから先輩デザイナーからデザインのノウハウを学パターンも存在していました。
デザイン会社に就職してからは、バブル後半で時代がウキウキしていた頃で楽しくも厳しい時代だったと思い出されます。
就職に関して、デザイナー人口もそんなに多くはなく専門学校卒業と同時に私の専門学校の就職率98%はデザイナーを目指すには簡単だったのかもしれません。
※その当時1クラス30人ほど、今現在1割りがデザイン業を続けている感じでしょうかw
デザイン会社に就職してすぐにデザイナーに?
いえいえそんな都合よくデザイナーになんてなれないんです。
デザイン会社に入ってからの修行が始まるんです。
今みたいにパソコンも存在していない、昔ながらの手書きのラフデザインや版下(デザイン設計図)を書き起こしたり。
ロットリング(製図用高性能ペン)で定規や雲型定規を使って線を引いて、デザインのベースを作って、写真はコピー機でコピー(モノクロ)したものを糊で版下に張り込み、文字は文字の形(名前【ゴナ・ヘルベチカ】)、Q数(大きさ)、送り歯数H(文字間)を指定して写植屋(写真文字を専門に作る会社)さんへ、出来上がってきた写植文字を糊を塗って、切り貼りしてキャッチコビーやサブコピー、本文のボディーを貼って完成させて、最後にトレーシングペーパー(薄い半透明の紙)を貼って、上からカラーペンで色の指定や細かいデザイン指定を施して、製版会社へ送って行く作業が一連の流れです。
ふ〜〜〜〜結構長い作業です。

でも、入社したての新米デザイナーさんに用意された仕事なんて、朝からひたすらロットリングを使って直線を描く練習から始まります。
これが終われば、今度はロットリングと円定規と直定規を使って、地図や図形の作成の練習が始まります。(約一ヶ月くらい)
その間、先輩デザイナーから、写真の焼きまし作業のお手伝いで紙焼き(暗室でスコープを使って写真を一枚一枚印画紙に焼き付け現像すること)を朝から晩までひたすら作業のお手伝い。
夏場は紙焼き機の暑さで、一日に2キロ痩せることもあって過酷な作業でした。(私の場合流通の仕事が初めてだったので量が半端なかった)
大体、1〜2ヶ月練習期間があったりして、以後少しずつちっちゃなラフデザインから初めさせてもらって、半年ぐらいしてから少しのデザインものをさせてくれたような気がします。まあ、初めての会社は交通事故で半年くらいで退職しちゃって、のちに広告代理店に入っていろんなデザインの仕事に携わるんですけど。
デザイン会社に入って、デザイナーと名乗れるのは半年から1年ぐらいかかるとイメージですね。
ざっくり昔のデザインはどのようにして

今も昔もデザインの流れは変わらないのですが、全てが手作業のデザインの世界。
パソコンも普及していない現状で、デザイナーの仕事も専門的なもので、今現在の仕事内容はひと昔のデザイナーは経験しておりませんでした。
パソコンはないですから、全てが手書きと、手書き指示で動いていたようなもんです。
特に、デザインに関わる仕事の職種と人数が多かったような気がします。一言デザイン仕事には少なくとも5人以上の人が動いてデザインは仕上がって行くのが常識で、特に印刷に関しては「製版会社」→「印刷会社」→「製本会社」など印刷に携わる会社だけでも2〜3社と工程が必要でした。
今みたいに、パソコンで作ってネット印刷で「ポンッ」と終了ではなかったんですよ。
当然、仕事は終わらず会社に寝袋を持ち込んで

流れ的には、
パソコンが普及して楽になったのか?

デザイン会社で働いて4年ぐらいしてから、パソコン(マッキントッシュ)が導入されはじめ、今みたいに勉強する学校も専門的な指導方法もない時代、上司から言われたことはたった一つ「覚えろ」てきな言葉、その当時のパソコンのソフトIllustratorもPhotoshopも使えない代物で、初めは本当に仕事の合間にパソコンでお絵かきなど、写植の代わりに普及した「レーザープリンター」を駆使して、デザイン版下に使えるように出力などしてコツコツと自主練みたいなもんでした。
2〜3年も経つと、デザイン業界でもパソコンを導入する会社が増え、それまでやっていた版下作業を、Illustrator、クォークエクスプレス(版下ソフト)など使うようになっていきデジタル化の流れになっていきます。
楽になったかどうかは、人それぞれですが明らかに仕事量が増えたのは言うまでもありません。
本来文字を打ち込む作業は、業者にお任せして出来上がりの納品を待ち、張り込み作業するといった緩急があったのですが、パソコン一台あれば印刷手前まで全てできてしまうそんな時代に。。。
この、デザイジタル化が関連会社の相次ぐ廃業につながっていき、デザイナーの役割は、製版会社(刷版・写真加工)などの会社の仕事も画面上でやることになっています。全ての工程に目を通して、考え・打ち込み・写真加工して・印刷データ作成して印刷へ回す。これだけの工程を現在のデザイナーは抱えていってるといってもの過言ではないのかな〜〜〜。
あ〜〜休む暇ないな〜〜〜〜〜
DTPとはdesktop publishingの略です。

「デジタル大辞泉」の解説では、「パソコンなどを用いて、原稿の入力から編集・レイアウト・印刷などの出版のための作業を行うこと。」と表記されいますが、「パソコンで作って印刷する」って意味だと!今現在デザイナーになりたい人にとっては近道なのかもしれません。あまり、人と関わらずとも己自身でパソン一台あれば、デザイン・印刷・納品の工程をご自身でやれちゃうのも今の時代だと思ってます。簡単にデザイナーて名乗れちゃいますもんね。
ただし自分でデザイナーと名乗っていても、クライアント様の想いを形にするのが「デザイナー」です。決してアーティストではなく。黒子に徹してこそデザイナーだと私は思っておりますが、クライアント様に寄り添い考え、アイディアを共に出し合って補うのもデザイナーだと思えるんです。
デザイナーになりたいのなら、クライアントの意図を汲み取り形にして行くのが近道です。